今までで最高の充実感と達成感

さて、またもや日を大きく開けての更新である。
で、何をやっていたかと言うと、TYPE-MOONシナリオライター募集に応募するためのシナリオを書いていたのだ。
一体何をしているのか? と疑問を持つ人ばかりだろうが、私が自鯖で建てているIRCには、物書き志望と言うか、そういう分野に興味を持つ(例え経験が無くとも、素人でも)者が多い。
そんな中で、たまたまWebサーフィン(懐かしい言葉)中に見つけた募集を話題にし、その場で「TYPE-MOONシナリオライター募集応募祭り」が開催されることになった。まぁ、つまりはノリである。
が、しかし、祭りだノリだからと言って、本気でないわけではない。この場合の本気は、作品自体に取り組む姿勢のことだ。
話題にしている時点で、誰もTYPE-MOONで仕事がしたいと言う欲求を持つものは居なかったであろう。(募集しているTYPE-MOONの方々には失礼な話しではあるが)
だが、結果を求めるあまりに、作品に対する力が分散してしまうよりは、今回の祭りは非常にモチベーションを高く保てた出来事だった。
募集要項は、フォーマット、内容は自由。規定文字数は400字詰め原稿用紙50枚(20000文字)を目安とし、上限規定は倍の100枚(40000文字)まで。期限は6/30と言うものだった。
正直、数ある美少女ゲームメーカーの募集からも、非常に変わったものだと思った。何より「Hシーンを含んだ」とか「完結したもの」と言う表現がなされていないのだ。
だからこそ、話題にしたわけだが。
で、当然、みなTYPE-MOON自体は知っているわけで、相手にとって不足は無いと、皆本気で挑む気配だった。
その話題を出したのが、募集記事が掲載されてから大分経つ6/22の深夜だった。
そこからは、IRCで駄弁りながら、皆で各自の構想を語ったり、プロットを見せあったりしていたが、残り日数が減るにつれて「気が散るから」とIRCに接続して来なくなる者が出てきた。
おそらく、この辺りで祭り参加者全員に「本気」が伝染したのだろう、そこからは皆苦しみを訴えながら執筆に励みだした。
さて、おれはどう言う作品を書いたかと言うと、

  • TYPE-MOONの世界観とは真逆、対極にあるもの。
    • 近未来SF
  • 自分が描きたいと思う作風。
    • 非恋愛系
    • エンターテインメント型
    • アクション物(銃火器を含む)

と、言うことから始まり、設定には若い頃から考えていた地下都市コロニーの未来史物から一部を転用し、北斗の拳などの荒廃した大戦後の世界でのヒロイック物にした。
今回、規定文字数が設定されていることから、時代劇調(カンフー物含む)の展開を想定し、ブロック毎に書き進める形を取った。
例によって例のごとく、設定段階からキャラクターの名前を決めず、結局最後まで名前をつけることはなかった。
主要キャラクターは、主人公、裏主人公である同僚、女師匠(カンフー系には師匠は必要)のみで、後は世界観で味付けをするスタイルにした。
執筆中、良く作家などが口にする、キャラクターが一人歩きをすると言う現象が起こった。これは初めての経験だった。
が、その結果、想定していた序盤のみで、規定文字数の20000文字近くになってしまい、また元の話しの筋に戻すために日数を費やすことになった。
自分では計画的に執筆していたつもりだが、想定していた内容の後半部分のイベント(修行、旅による成長過程、女師匠の謎)などを全てカットし、期日内、そして上限規定文字数内に何とか収めることが出来た。
実質1週間足らずで、約38500文字規模の作品を仕上げると言うのは初めての経験で、言葉にならない達成感を感じた。
正直、作品の内容は、文字数を気にしすぎるあまり、後半はまるで「打ち切りの決定したジャンプ漫画」的な怒涛の急展開になってしまい、心残りは多々ある。
しかし、元から合否関係なく、本気で挑むことに意義を感じていた身としては、やり遂げることが出来、非常に満足している。
どんな遊びも本気で挑むと、それは遊びの粋を超えるという良い経験をさせて貰ったようなものだ。
この場を借りて、TYPE-MOONには感謝の言葉を贈りたいと思う。
「切っ掛けをありがとう」