ギターの仕組み

おれはギタリストになるわけじゃないぞ」等と言っておきながら、やっぱ楽器演奏は素直に楽しいわけでね、そりゃ上手くもなりたいわけですよ。
こればかりは、損得抜きで楽しみたいってのが優先。
そして、上手くなりたいのと同時に、より良いギターも欲しくなるわけです。

一時期は、自分の身体は女性並に小さいため(99の岡村サイズ)に、ショートスケール・ナローネックが良いとか、シンクロナイズド・トレモロブリッジのギターはチューニングが狂うので、ノントレモロが良いとか思ってたわけです。
でもね、ほぼ毎日弾いてると面白い事にチューニングがさほど狂わなくなってきた。
友人曰く「当りが付いてきた」んだそうで、車のエンジンと同じで機構的に馴染んできた状態らしい。
まぁ、そもそもアーム系は使うことが殆ど無いんだけど、使うならより安定動作を目的とした装備にしたい。

で、調べたところ、やはり弦楽器である弦の摩擦部分による張力分散率が問題だったり、あと究極的には「ギターのチューニングは素のままでは完全には合わない」ってことも理解した。
ただ、それ自体は特に大きな問題だとは思っていない。
バズフェイトンだとかMTSのナット位置や処理の修整、果てはCFSなどのネック(フレット)形状の新造などで安定したチューニングを売りにしている製品もあるけど、じゃあそれまでの名ギタリストは音程バラバラだったか? 違うよね?
実際演奏してると、フレットを押さえる加減で音程感修整ってのは、自然にするようになってると言う事がある。
これは、人によって(手の大きさや力加減によって)変わるものだから、絶対こうしろって解決法があるわけじゃなく、とにかく弾きまくれ、そして慣れろってことなんだけど(w
まぁ、それが理由でギターが上手くならないわけじゃないよねってことね。

次にトレモロブリッジでの安定したチューニングに関して。
これは既に、フロイドローズタイプのロッキングシステムトレモロってので実現しているわけです。
アーム操作でチューニングが狂うのは、弦の張力が変化した後に各弦が正確に元に戻らない事が原因。
普通のギターはヘッドのペグ部分(弦を巻き付けてるところね)からナットに引っ掛けて、そしてブリッジへと伸びていってるわけです。
で、アームを動かしたらトレモロブリッジ自体が動くわけだから、ナット部分にのっているだけの弦も引っ張られたりしてずれるわけですよ。
ならギターの音程を合わせた状態で弦自体を支点部分(ナットとブリッジ)でロックしちゃえば良いじゃん! ってのが、多分フロイドローズの考え方なんだと思う。
実に分かり易いし、妥当な解決策だ。
なるほど、だから最初からフロイドローズタイプのロッキングトレモロが載っているギターが昨今の主流なのだな。
ただ、フロイドローズは馬鹿でかくてごついので、見た目的にあまり好きじゃないし、載せかえるのにかなりの加工が必要で面倒。
なら、最初からフロイドローズ載ってるギターを買えば済む事でもあるしね。
あとよく言われるのが、『シンクロナイズドトレモロとロッキングトレモロだと音が違う』ってこと。
これもオカルト的だと言われるけど、多分ギター本体への振動率の差によって、ピックアップが拾う音が変わるんだと思う。
そもそも、ヘッドに付いてるペグからナットまでの張力自体も弦振動に関わってるわけで、ネック自体の振動伝導もナット位置とペグの位置では伝わり方が違って当たり前だし。

で、つまるところチューニングが狂い易くなるのは、弦が引っ張られて戻るときに、ナット部分での弦の摩擦抵抗があることが問題なわけですよ。
フロイドローズは、摩擦部分を固定することでそれ自体を無くしたわけだ。
なら、その摩擦抵抗を減らす方向で、現状でもチューニングを安定させることは出来るんじゃないのか?
と思って調べてみたら、そう言う製品も山ほどあった。
一番簡単なのが、ナットに鉛筆の芯を削り溝に塗る方法で、鉛筆の芯に含まれている黒鉛が潤滑材になるという、立派な理屈があるんだそうですよ。
また、グリスオイルやら専用のナット潤滑材。果ては素材自体を変えたナットまであります。
結局、みんな原因点はわかっていて、かつ対策方法も色々あるわけですね。
で、個人的に気になったのが、ローラーナットやローラーサドル型ブリッジ(サドルってのはブリッジにある弦の支点部分の事)。
要は、摩擦部分をローラーにして動作安定をさせるって奴。
見た目的にもそれほどごつくないし、理屈的にも分かり易くて受け入れやすい。
載せかえるなら、ピックアップ変更やらの前に、本体のプレイアビリティの向上のための、ローラーナットとローラーサドルトレモロブリッジかなぁ。